急性心膜炎
リンパ液や体液が、体内に異常にたまった状態を、「むくみ(浮腫)」といいます。
むくみ(浮腫)の原因はさまざまであり、なかには、はっきりした原因がないのにむくむ「特発性浮腫」というものもあります。また、全身にむくみ(浮腫)が生じる場合と、局部的に足や背中にしょうじる場合があります。
全身にむくみ(浮腫)が生じ、しかもそれが立っているときには足に、横になっているときは背中などがむくむというように、体位に関係する場合、疑われる病気には、「うっ血性心不全」や「急性心膜炎」、「急性内膜炎」などがあります。呼吸困難や起坐呼吸といった症状が見られる場合は、「うっ血性心不全」が疑われます。また、発熱や胸痛が見られる場合は、「急性心内膜炎」の危険があります。さらに、特に腹水や脱力感が見られる場合に疑われるのが、「急性心膜炎」です。
急性心膜炎の症状
急性心膜炎の場合、発熱と胸痛がみられることが多いです。さほどひどくない場合は、風邪と見分けがつきません。また、胸痛といっても、首、左肩、胃のあたりへと痛みが放散し、呼吸や咳、姿勢などによってその程度が変わることもあります。
また炎症が進むと、心膜腔に浸出液がたまり、心臓を圧迫します。このため動悸や息切れ、咳などが出ることがあります。さらに症状が進むと、心膜腔が大量の浸出液で満たされてしまいます。これが「心タンポナーデ」と呼ばれる状態です。心膜から心筋へと炎症が広がると、心電図にその変化があらわれることがあります。